クローゼットや押入れにしまってあった革のバッグを久しぶりに取り出してみると、なんとカビが生えているのを発見!本当にショックですね。
そもそも革のバッグに何故カビが生えるのか、その原因とカビの落とし方、正しい保管方法や手入れなどについてお話しします。
この記事でわかること
大切な革バッグにカビが!その原因は?
一体なぜ革バッグにカビが生えてしまうのでしょうか?詳しく見ていきましょう。実は、カビが増殖する3つの条件があったのです。
1.湿度
カビが増殖する条件は湿度が70~80%以上というものがあります。そのため、湿度が高い場所にずっと置いておくとカビが繁殖しやすくなるのです。
理想の保管場所は通気性の良い日陰。しかし、クローゼットや押入れだと湿度が高くなりやすいのです。
その場所に革バッグをしまっている場合は
- 扉を開けて換気をこまめにする
- クローゼット(押し入れ)専用の除湿剤を置く
- 適度な空間を作って通気性を良くする
などして湿度が高くならないように工夫する必要があります。詳しい保管方法については後ほどご説明しますね。
2.温度
カビが増殖する温度は20℃~30℃になります。保管場所の温度がずっとこの温度になっていると、カビがどんどん増えてしまうのです。
他の素材のバッグよりも革製品はカビが生えやすいので、気にかけていきましょう。
3.栄養源
カビが増殖するためには栄養源が必要です。ホコリや手の脂などの汚れ、食べかす、革用クリームの拭き残しなどがカビの栄養となってしまいます。
なので、バッグを保管する前にはきれいにお手入れをしましょう。
また、ずっとしまったままにしていてもホコリなどが付き、カビが生えることがあります。しまいっぱなしにしないで、定期的に状態を確認しておくといいですよ。
革バッグのカビを予防する方法!正しい保管とは?
高温多湿で換気口が無い狭い場所は、カビが生えやすいことが分かりましたね。適した保管で革バッグのカビを予防しましょう。
通気性の良い袋で包む
出典:Amazon
ビニール袋は密閉されるため、革バッグの保管にはおすすめできません。購入時に付いてきた、不織布の袋を使うのが一番望ましいでしょう。
不織布は色移りしない・通気性が良い・ソフトな生地というメリットがあり、カビだけでなく傷や色ムラも防ぐことができます。
不織布の布がなければ、取り扱いのある店舗で購入が可能です。
箱にはしまわない
付属の箱は配送時に革バッグを保護するためにあるもので、家での保管は不向きです。通気性を悪化させ、カビを誘発します。
※使わないバッグを買い取り業者やフリマアプリで売る場合、箱の有無で買い取り額が変動することがあります。
アンコ(紙の詰め物)を入れる
バッグを購入すると、中身に紙や緩衝材が入っていますよね。「アンコ」と呼ばれ、バッグの型崩れを防止するものです。
丸めた新聞紙を利用すれば、除湿効果も。自分で簡単に作ることができますよ。
準備するもの
- 新聞紙
- キッチンペーパー
- セロハンテープ
新聞紙には、除湿の他に防虫効果があります。この作り方ならぴったりな大きさにできますし、コストもほぼかかりません。キッチンペーパーは、コピー用紙でも代用できます。
アンコの作り方
道具が揃ったら作っていきます。
- バッグの大きさに合わせて丸めた新聞紙をいくつか作る。
- キッチンペーパーを敷き、その中心に丸めた新聞紙を置いてくるむ。
- 形を整えながらセロハンテープで止めたら完了。
大きいバッグにはアンコを複数作って調整してみてくださいね。
防虫剤・除湿剤には注意
出展:Amazon
革バッグのカビ予防として使用したい所ですが、種類によっては革が硬くなったり柔らかくなったりと変質する場合があります。
革や製法との相性もありますし、変質が元に戻せるとは限りません。できれば使用しない方が良いでしょう。
バッグ用の防虫剤や除湿剤を使用しなくても、正しい保管方法を実践すれば大丈夫です。
クローゼットに詰め込み過ぎない
収納場所に物がたくさん入っていると、通気性が悪くなり湿度も温度も上がりやすくなります。入れるものは8割くらいにして少しゆとりを作ると空気が循環されます。
時々扉を開けてこもった空気を入れ替えましょう。また、クローゼット用の除湿剤や小型除湿器を使えば、ジメジメした季節でも湿度を抑えてくれますよ。
革製のバッグのカビの落とし方
注意して保管していたつもりでもバッグにカビが生えてしまうことがありますね。
カビがついたままでは使用することはできません。しかし、何もしないで捨ててしまうのはもったいないです。カビの落とし方をいくつかご紹介します。
水拭き
カビができ始めたくらいであれば、水気を固く絞った布で水拭きすれば落とすことができます。カビを見つけたらこの方法からやってみてください。
水拭きの後は乾拭きで水気を拭き取り、風通しの良い日陰で革を乾燥させます。
カビが生えたということは、繁殖しやすい環境になっていたということ。手入れが過剰でなかったか、換気はされていたかなど振り返ってみましょう。
天日干し
カビが生えていると思ったら、天日干しをしましょう。
ただ、革に直射日光は避けた方が良いとされているので、カビを落とすときだけにして頻繁に行わないようにしてくださいね。
準備するもの
- 柔らかい布を数枚
- 保革クリーム
保革クリームは使い慣れたもので大丈夫です。専用があればそちらを使います。
革を天日干しする方法
出展:Amazon
- よく絞った濡れタオルでカビを丁寧に拭き取る
※必ず濡れたタオルで行います。 - 天気のよい日の午前10時から午後2時の間に日光に当てよく乾燥させる
※長時間干しすぎると変色や乾燥、型崩れに繋がります。 - 革製品用の保革クリームを塗る
※バッグの素材に合ったクリームを使用します。 - 柔らかい布で乾拭きしたら完了
※クリームが残っているとカビの原因になるので忘れずに。
太陽の紫外線は殺菌効果があるので、カビ対策には有効です。また乾燥させることによってカビの臭いも消えていきます。
また、日光は革の種類によってエイジングに影響することもあります。
重曹水
天日干しでもカビが落ちない時は重曹水も効果的です。作るコツは、重曹を溶かすときに65度以下のお湯を使うことです。
重曹は水だと溶けにくいのでお湯がおすすめ。しかし、65度以上のお湯で溶かすと強アルカリ性に変化して効果が強まりますので、温度に気を付けましょう。
準備するもの
- 計量カップ
- 計量スプーン
- 重曹
- クエン酸
- オリーブオイル
- 柔らかい布を数枚
重曹やクエン酸は自然由来で安全性の高い成分ですが、アルカリ性である以上手荒れを起こすことがあります。気になる方はゴム手袋を使ってくださいね。
革のカビを重曹水で落とす方法
カビの範囲によりますが、胞子が室内にこもらないよう十分な換気がされた場所で行います。
- 水100mlに重曹小さじ1の割合で重曹水を作っておく(少量のお湯で重曹を溶かしてから残りの水を足してもOK)
- 乾いた布に重曹水を含ませて固く絞り、カビを拭き取る
- クエン酸とオリーブオイルを1対1の割合で混ぜ合わせる
※重曹だけでは油分が取れて白っぽくなるのを防ぎます。 - バッグの表面の余分な油分を乾拭きして完了
重曹水は掃除にも使える便利なものです。余った分は別場所の掃除に使ってみてはいかがでしょうか。
市販のカビ落としを使う
出展:Amazon
エム・モウブレイのモールドクリーナーは革にも人にも優しい成分が使われており、無香料なので使用中の違和感はありません。
すでに繁殖しているカビへの消毒力が高く、使ってからしばらくはカビの発生も抑えてくれる商品です。100mlはポンプ式、ラージサイズの300mlはスプレー式になっています。
業者に頼む
ブランド品などの高価な革バッグにカビが生えた場合、自分で手入れをするのが不安に感じる方もいるでしょう。そんな場合は、専門業者に頼むのも1つの手です。
自分で行うよりもお金はかかってしまいますが、新品のように綺麗になることもあります。不安な方は、1度相談してみてください。
カビの除去をはじめ染色などの依頼もできますよ。
カビを落とす時に気を付けること
デリケートな革にカビを見つけた時、カビを広げないことも大切ですが革にダメージを与えないこともポイントになります。
ブラッシングは胞子を飛ばしてしまうのでNG
出展:Amazon
馬毛ブラシを使ったブラッシングは、埃や汚れを落とすために行うものです。
初期のカビであればブラッシングでも落とせますが、カビが生えた部分をブラッシングすると胞子が飛んでしまいます。
目に見えないので大丈夫と思っても、再びカビが繁殖する原因となるので避けましょう。乾拭きも胞子を散らすので、前述の通り水拭きがベストです。
消毒用エタノールは使わない
しつこいカビには消毒用エタノールが有効です。しかし、革製品にエタノールを使うリスクも大きいのでおすすめできません。
- 革の変色を起こす。
- アルコールのシミができる(とても落としづらい)。
- しっかり揮発させないと革が溶ける場合も。
このようなトラブルを招く可能性があります。手の消毒をした後もよくこすって乾燥させましょう。ぬれたまま革に触れるのはNGです。
もしエタノールで革製品にシミや変色を起こしたら、何もせずすぐに専門の修理業者に依頼します。
保革クリームを塗ると、シミを目立たせるだけで原状回復が難しくなるようです。
革バッグについた嫌なカビの臭いを取るには?
革のバッグにカビが生えてしまうと、カビの臭いも気になるところですよね。
カビの臭いを取るには、茶葉での消臭が可能です。お茶の出がらしをレンジで乾燥させ、空のお茶パックに入れ、バッグの中に収納することで臭いが付くことを防止できます。
また日頃から日陰干しをしておくことも、カビの臭い予防に繋げることができますよ。それでも落ちない場合は、ドライクリーニングに出すのもいいでしょう。
革バッグにカビは厳禁!正しい収納を
出展:Amazon
以上、カビの生えてしまったバッグをきれいにする方法などについてご紹介しました。
革のバッグにカビが生える原因やその対処法などについてお話ししましたが、一番の対策はバッグをしまい込まないで、大切にまめに使ってあげることでしょう。
またはクローゼットの中のバッグを、日によって使い分けるなど意識するだけでカビを防ぐことができます。
カビに気をつけてお気に入りのバッグは長く大切に使いたいですね。