見た目も良いかっこいい革靴、でも運動靴などと違い滑りやすいですよね。
特に雨の日は滑りやすく、ヒヤッとした経験を持つ人も多いのではないでしょうか。
革靴の底がどうして滑りやすいのか?その原因、対策を考えていきます。
今回はレザーソールについて、店舗と自分でできる対策をご紹介します。
この記事でわかること
革靴の底が滑る原因とは?
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ソールとは靴底のことで、レザーを使用した革底のことをレザーソールと言います。革靴の場合、靴底にも革を使用していることが多いです。
靴の滑りやすさは「摩擦力」が関係しています。例えば、滑り止め手袋ってありますよね。手のひら部分にゴム素材の凹凸をつけることで、摩擦力を大きくして滑りにくくしています。
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それとは対照的な、表面に凹凸のないレザーソール。地面との接触面に凹凸が少ないので摩擦が起きづらくなります。結果、滑りやすくなってしまうです。
また防水として油分を付けることも多く、それも滑りやすい原因の一つになっています。
また、雨が降っていなくても、ビルの中のタイルなどつるつるした素材を使った床の場合、滑りやすいので注意が必要です。
革靴の滑りを防止!ソールの種類を知ろう
革靴のソールがすべてレザーという訳でもありません。いくつか種類があります。
「滑りやすいソール」と「滑りにくいソール」があるので、購入の際に確認しておくといいですよ。
レザーソール
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上で説明した通り、レザーソールとは靴底もレザー(革)である靴です。
ドレスシューズやビジネスシューズには、レザーソールの革靴が多いですね。
見た目はとても格好いいので、好んで履いている方もいるでしょう。
しかし、とても滑りやすいのが難点です。
雨の日だけ滑るのなら、別の靴を用意して対応することもできます。
しかし、タイルなどのつるつるした床でも滑ってしまうのです。
履き続けるとソールに傷が付き滑りにくくなりますが、転ぶ場所や転んでぶつける箇所によっては命にかかわることもあります。
滑りやすいと感じたら、対策を行なっておくべきでしょう。後ほど対策方法をご説明しますね!
ダイナイトソール
ダイナイトソールは、ラバーソールの1種です。
1897年創業のイギリスのDAINAITE社が製造を手がけています。
ゴムの靴底なので、雨の日でのつるつる滑ることはありません。
つるつるした床でも、普通に歩くことができます。
ただ、ダイナイトソールは重いことがデメリットですね。
長時間歩くには向かない靴です。
また比較的にゴツ目なデザインの靴に使用されることが多いため、種類は限られています。
ビブラムソール
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こちらはビブラム社が提供する、加硫ゴムを使用したソールです。
普通のゴムと比べると、ゴムの物性や耐久性、グリップ力が非常に高い素材です。破れにくく、高温・低温下でも柔軟性がほぼ変わりません。
ダイナイトソールと似ているので一緒だと思っている方も多いですが、ビブラムソールのほうが硬いのが特徴ですね。
しかし、ダイナイトソールよりも厚いので履き心地はあまりよくないです。滑るという点においては、全く心配をしなくてよくなるでしょう。
クレープソール
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こちらもゴムを使用した靴底です。
天然ゴムを使用しており、スポンジっぽい弾力性があります。クッション性があるのでとてもソフトな履き心地です。
カジュアルな革靴に使用されることが多く、ドレスシューズに使用されることは少ないです。
デメリットとしては真夏の場合、アスファルトが加熱されると靴底がベタついてしまいます。また、使っているうちに硬化していく特徴があります。
雨などで路面が濡れていると、レザーソール同様滑りやすいです。
歩き方によっては体重がかかる箇所に対して大きく摩擦が生じてしまい、その箇所だけすり減ってしまうことも。
重心が片足に乗っている方は注意が必要ですね。
レザーソールとラバーソール 長所や短所は?
滑りやすさの他に、どのような差があるのでしょうか。レザーソールとラバーソール、どちらにもメリット・デメリットがあります。
以下にまとめましたので、購入や張替えをする前に参考になさってください。
レザーソールの場合
まずレザーソールから見てみましょう。履くだけで気持ちも上げてくれる隠れた素材、変わらぬ人気で受け継がれてきました。
レザーソールのメリット
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- 見た目が上品でかっこ良く、フォーマルな場やスマートなファッションにぴったり。
- 耐熱性があり、熱いアスファルトでも変形に無縁なので歩きやすい。
- 吸湿性があり、靴の内部がムレにくい。
- 履きこんで馴染んでくると、足の形にフィットして長時間でも疲れにくい。
- 歩く時のコツコツという音は、レザーならではの特徴。
レザーソールのデメリット
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- 高価な靴が多い。
- 定期的なケアにて、栄養と油分補給が必要。
- 水が弱点。履いているうちに毛羽立ってきて水が浸入しやすくなる。
- 公衆トイレの床に付いた汚れが、においの原因になる可能性も。
- 舗装されていない道は砂利が刺さる。
- 購入したばかりの履き始めは足にフィットしにくい。
- 削れやすい。
地面に接する場所だからこそ、水や汚れの影響をダイレクトに受けます。
レザー製のメリットを保つには、表面だけでなく、ソール部分まできちんとお手入れをしなくてはいけません。手入れを繰り返すことで愛着がわいてきますよ。
ラバーソールの場合
次にラバーソールです。実用性の高さから、今やラバーソールも高級革靴に取り入れられている素材です。
ラバーソールのメリット
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- 耐水性があり、突然の雨が降っても安心。
- 張替え価格がラバーソールより低コスト。
- 定期的なメンテナンスはほぼ無用。
- 新品の時点で履き心地が良い。
ラバーソールのデメリット
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- レザーソールと比べると通気性が悪い。
- 履きこんでも、足に馴染む感覚はない。
- 靴のデザインがある程度絞られる。
- カジュアルファッション寄り。
その素材から、ゴツめなデザインが多いラバーソールですが「ラバーソール=見た目があんまり」というイメージは昔のことで、今は大手ブランドが積極的に採用しているんですよ。
レザーソールにないメリットもあるので、ご自分のこだわりと相談しながらベストな結果を見つけてくださいね。
革靴の底がレザーソールなら滑らない対策を!
なぜ革靴が滑りやすいのかは理解できたと思います。
ここでは革靴が滑らないようにする対策法を3つ紹介していきます。
レザーソールの革靴を持っている方は、行なっておくといいですよ。
1,レザーソールからゴム底に張り替える
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革靴を滑りにくくするには、レザーソールからラバーソール(ゴム)に張り替えてもらうのがおすすめです。
全面を張り替えるのに躊躇する方は、靴底の全面だけラバーソールに替える「ハーフラバー」という手段があります。
ラバーが滑り止めの役割を担って、突然の雨でもタイルの上などで滑ることなく歩くことができます。他にも、歩行によるすり減りから靴を保護する効果もあります。
革靴の底の張替えはお店に頼もう!おすすめ店舗3選
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革靴の底全体をラバーに変える、またはハーフラバーにする場合は、専門家に依頼しましょう。
スタイリッシュなフォーマルにも着て行けるような革靴の場合、靴の底って歩いている時に見えますからね。
ここではソールの張替えをやってくれるお店を紹介します。
- MISTER MINIT 全国規模で、駅に近いスーパーなどのテナントとして入っている靴の修理屋さんです。
- Riat 全国規模で靴修理、バック修理などを行っています。
- 靴専科 靴全般に関する専門家、全国規模で展開しています。
どのお店も駅に近く、またはショッピングモールや商業施設内に店舗を持っています。
しかし仕事でなかなか店舗にいけないという場合には、ネットで注文、宅配を使って配送というサービスも利用できますよ。
自分の生活に合わせて、都合いいものを利用してみてください。
2,滑り止めシートで自分で対策
出典:ショップ – 楽天市場
革靴の底全体を変えるのは素人では難しいかもしれません。
でも市販されている革靴用の滑り止めシートだったら簡単に出来きます。
現在はラバーソールのデザイン、また色も豊富にあるので、自分の靴に合ったラバーソールを見つける事ができるはずです。
貼り方は、靴用のボンドでバランスよく貼るだけです。失敗を防ぐために必ず専用を使いましょう。
滑る時は基本的にかかと部部が地面についた時なので、かかとの部分もお忘れなく!
また、最近は100均でも靴修理グッズが置いてあることがあります。できるだけ安さを追求したい方は、100均で探してみるのもいいでしょう。
ただ、100均のラバーは黒しかありません。ソールの色が黒意外だと目立ってしまいます。高価な靴やお気に入りの靴なら、コストをかけることをおすすめします。
こちらの滑り止めシートは様々な色があるので、持っている革靴に対応させやすいですよ。
3,急な滑り止め対策にはバンソウコウ!
予報になかったのに雨が降ってきた。
床がつるつるした場所に行かないと行けなくなった。
そんな急な滑り止め対処法としてオススメなのが、バンソウコウを貼ることです。
貼る場所は、
- 靴底の真ん中からつま先よりの位置
- かかと辺り
この2箇所。
ゴム底に替えたり、100均のグッズを買いに行ったりは時間がかかります。
あまり時間がないけれど、滑りにくくしたい時には簡単で便利な方法です。
しかし、何日も持つわけではないので緊急の対処法として考えておいてください。
レザーソールのお手入れ方法
レザーソールも手入れしないと劣化します。道具に大きな変わりはないですが、汚れやすいの部分なのでレザーソール専用として別に用意しましょう。
準備するもの
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ソールならではの道具もあります。揃える道具は以下の通りです。
- 馬毛ブラシ
- クリーナー
- レザーソール用の栄養剤
- ペネトレイトブラシ
- クロスまたは柔らかい布を数枚
- レザースティック
レザースティックとは、革の羽毛立ちを押さえる道具です。削れや消耗が激しいソールにおすすめ。
コードバンの革靴とも相性がよく、銀面をきれいに仕上げるために役立ちます。
レザーソールの手入れ方法
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先ほどの道具を使って、手入れをしていきます。
- 馬毛ブラシで丁寧にブラッシングして、汚れを掃い落とします。
- クリーナーをクロスに取り、ソールに塗り広げます。
- クロスで乾拭きして、汚れと余分なクリーナーを取り除きます。
- レザーソール用の栄養剤をペネトレイトブラシに取り、ソールに塗っていきます。
- レザースティックの細い部分で傷付けないためにクロスで包み、ソールをこすって羽毛立ちを押し込みます。
- ソールが乾くよう靴を壁に立てかけて数時間放置し、サラサラの状態になれば完了です。
レザーソール用の栄養剤は、サフィールノワールの「ソールガード」もおすすめです。乾燥が早いのでシミになりづらく、防水効果(※完全防水ではありません)もあります。
水で濡れたらすぐに手入れを
革が水に弱い理由は、革が濡れた後に乾燥すると縮む性質があるからです。乾燥状態で硬いままだと、柔軟性がなく、最悪ソールが割れてしまうリスクもあります。
もし水に濡れたら汚れてもいいタオルで水気を拭き取り、すぐに手入れを行って栄養や油分を補給してください。
レザーソールが水に濡れると柔らかくなるので、ゴミや小石が落としやすくなります。
内側が乾くように、丸めたキッチンペーパーなども入れておきましょう。水分を吸ったら交換した方がいいので、入れたままにせず様子を見ながらやってみてください。
革靴の底に滑り止め加工をして安全に歩こう
ここでご紹介した方法なら、革靴で滑ることは少なくなります。
革靴は滑り止めのためだけでなく、定期的に靴の底を張りかえることで、靴の寿命を伸ばす事が可能です。
大切な革靴、定期的なメンテナンスを忘れないで行いましょう。