オイルレザーのお手入れ方法とは?財布・靴・バッグを徹底解説!

革製品を持ち始めると、他人の革製品も自然と目で追うようになります。

長期間でエイジングを楽しめ、定期的なメンテナンスによって、魅力的なものに変化をとげていきます。

革は鞣し(なめし)や原皮(げんぴ)の違いで分類され、お手入れ方法も異なるんですよ。

その中でも今回は「オイルレザー」に注目して、お手入れ方法を解説していきます。

手入れ道具・製品別の正しい手入れ方法・長く使い続けるコツも紹介していきますので、ぜひ参考にしてみてください。

 

▼すでにオイルレザーについて知っているという方は「手入れ方法」へ

⇒「オイルレザーの手入れ方法」にジャンプする

 

オイルレザーって何?

出展:Amazon

オイルレザーとは、オイルを豊富に含ませた皮革のこと。

オイルドレザーとも呼ばれています。

植物性のタンニンを使った鞣し(なめし)の工程で、じっくりを皮を漬け込むことでしなやかなオイルレザーとなります。

オイルを繰り返し浸透させることで、革のしなやかさと強度が増します。

この鞣しの製法に手間と時間がかかるので、価格は割高です。

 

▼鞣しに関する記事はこちらをチェック

有名なオイルレザーの種類

オイルがたくさん入っているため、しなやかで強度のあるオイルレザー。

中には、馬具(馬に乗るときの道具)にも使われているほど、耐久性が高いのが特徴です。

その中でも質が良く、有名なオイルレザーには、以下のような名前が付いている革もあります。

  • イタリアンレザーの「ミネルバリスシオ」
  • イタリアンレザーの「ブッテーロ」
  • 革の中心までオイルが染み込んだ「プルアップレザー」
  • ブッテーロの倍!オイルが豊富な「マレンマ」

初めて名前を聞いた人が多いかもしれませんが、しっとりとした手触りやエイジングを楽しみたい人に、人気のある革ばかりです。

 

▼有名オイルレザー「ミネルバリスシオ」に関する記事はこちら

 

プルアップオイルレザーとは

出展:Leather Craft Phoenix

上記で紹介した種類以外にも、「プルアップオイルレザー」という革があります。

プルアップオイルレザーは、通常のオイルレザーよりさらにオイルが染み込んでおり、表情豊かなエイジングが楽しめます。

深層のオイルがゆっくり染み出し、独特の美しいツヤが特徴です。

革の愛好家の間でも人気のレザーの1つです。

 

▼プルアップ(オイル)レザーの詳しい記事はこちら

オイルレザーのメリット・デメリット

高級感のあるオイルレザーですが、もちろんデメリットもあります。

オイルレザー製品の購入を検討中の方は、それぞれ比較した上で決めてみてください。

オイルレザーのメリット

出典:Creema

まずはオイルレザーのメリットから紹介します。

値段は割高ですが、質の良さは折り紙付きです。

メリットを以下にまとめました。

メリット理由
1.しっとりとした革と上品なツヤ見た目の重厚感とツヤのバランスが抜群です。
2.初期の手入れはブラッシングのみで簡単浸透したオイルが保湿剤代わりになります(※汚れにはクリーナーを使います)。
3.小さな傷は目立たない乾拭きすると内部のオイルが溶けだして、傷をコーティングしてくれます。
4.独特のエイジングが美しい革を育てる楽しさが倍増します。
5.十分なオイルで撥水作用がある水と油の関係が反映されるため、少量なら水をはじいてくれます。

数ある皮革の1つですが、こんなにもメリットがあります。

長い付き合いを重ねることで、あなただけの特別な革に育てることができますよ。

 

オイルレザーのデメリット

出展:Amazon

一方、オイルレザーのデメリットは以下のような点が挙げられます。

  • 値段が割高
  • 色落ちや色移りがしやすい
  • ホコリが付きやすい
  • スプレー類は、オイルレザー専用にする必要がある

オイルレザーはその製造方法から手間と時間がかかっており、値段は割高になります。

また、豊富なオイルが含まれていることにより、触れた場所にオイルが付くと同時に色が移りやすいです。

他の革よりしっとりしているのでホコリが付きやすく、カラーによっては目立つものも。

また、スプレーはオイルレザー専用を使わないと、染み込んだロウなどに弾かれてしまいます。

さらに、オイルレザー特有の油分を分解する作用で、色ムラを起こすかもしれません。

比較するとメリットが多いオイルレザーですが、こういったデメリットも加味して、購入を検討してみてくださいね。

オイルレザーの手入れ方法

続いてオイルレザーの手入れ方法を紹介していきます。

  • 購入したばかりの状態
  • 購入してから経過した状態

オイルレザーの特徴から、上記の状態によって手入れ方法が変わります。

それぞれの手入れ方法を見ていきましょう。

新品の時(購入したばかりの状態)の手入れ

出展:Amazon

「オイルレザーのメリット」でも少し触れたとおり、購入からしばらくはブラッシングだけでOK

そのため、新品のうちは手入れが簡単です。

準備するのは、”馬毛ブラシ”と”クロス”になります。

1日のリセットとして、使い終わったら全体をブラッシングしてください。

クロスは指に巻き、汚れを拭き取ったり靴を磨き上げたりするときに使います。

クロスが無い方は、使い古したTシャツやフランネル生地でも代用可能です。

購入してから経過した状態の手入れ方法

月日が経ち、何回も使ってると、浸透したオイルが少しずつ抜けていきます。

ツヤが無く、乾燥気味なのは「油分不足」のサインです。

水もはじかないので、色ムラができやすくなります。

そうなる前に対処しましょう。

手入れ方法としては、基本的なブラッシングに加えて、クリーナーを使って汚れを落とします。

さらに油分不足を補うためにオイルと塗り、撥水スプレーで仕上げです。

この手入れをだいたい月に1、2回の頻度で行うことで長持ちするでしょう。

さらに詳しい手入れ方法は、靴・財布・バッグ別にのちほど解説します。

準備するもの

出典:Yahoo!ショッピング

財布や鞄なら皮脂がつきますし、靴なら泥や油が付着しています。

見えない汚れも含めて落とし、栄養を補給することが大切です

手入れをする際は以下のものを準備しましょう。

  • 馬毛ブラシ
  • クロスを数枚
  • 革用のクリーナー
  • 革用の栄養クリーム(オイル)
  • オイルレザー専用の防水スプレー

防水スプレーは、必ずオイルレザー専用のものを購入してください。

 

用途別で違う手入れポイント

出展:Amazon

オイルレザーは用途によっても手入れ方法のポイントが違います。

例えばファッションとして使うのか、キャンプで使いたいのかなど、用途別でおすすめのオイルがあります。

おしゃれ用・普段使いとして使うオイルレザー製品の場合は、オイルレザー専用のクリームでOKです。

仕事やアウトドア用製品の場合、ハードに使われるため、傷や汚れに強くする必要があります

おすすめは、動物性油脂が入った防水性や保湿性の高いオイルです。

  • シールオイル(あざらし)
  • マスタングペースト(馬)
  • ミンクオイル

手入れ用のオイルにも種類があるので、オイルレザーの用途別に使い分けてみてください。

 

▼ミンクオイルに関する記事はこちら

【靴編】オイルレザーの正しいお手入れ方法

オイルレザーは、耐久性としなやかさから、アウトドアブーツにも使用されています。

丈夫さに甘んじて手入れをおこたると、乾燥によってひび割れや強度の低下を招きます。

乾燥する前に汚れを除き、油分で潤いを与えます。

オイルレザーの靴のお手入れの場合は、準備する道具に「シューキーパー」と「アルコールティッシュ」を追加してください。

▼シューキーパーに関する記事はこちら

1.靴をブラッシング

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泥汚れがあれば、乾くのを待ってから落とします。

靴紐を外し、シューツリーを入れたら、馬毛ブラシでブラッシングします。

ホコリやチリ汚れなど、細かい汚れを掃っておきましょう。

 

2.クリーナーで古いクリームと汚れを落とす

出展:楽天市場

少量のクリーナーをクロスに付け、力を入れずに汚れを落とします。

円を描くように、クルクルと回しながら落とすとやりやすいです。

目立つ汚れが落ちても、古いクリームが残っているので、しっかり落としましょう。

古いクリームが壁となってしまい、新しいクリームが革に浸透しづらくなるためです。

終わったらクロスを替え、余分なクリーナーを拭き取ります。

 

3.栄養クリームを馴染ませたらブラッシング

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新しいクロスに、少しだけ栄養クリームを付け、汚れを取った部分に塗り広げたら、風通しの良い日陰に置いて馴染ませます。

しかし、過剰なクリームは革にダメージを与えるので、革の状態に合わせて、置く時間を変えます。

オイルレザーが乾燥していた場合は一晩、少し乾いていた程度なら1時間くらい置きましょう

時間が経ったら、乾拭きをして余分なクリームを拭き取り、毛の硬い「豚毛ブラシ」でブラッシングします。

豚毛ブラシには、ムラになったクリームを、均一にする効果があるためです。

余分なクリームが取り除けて、光沢も出せますよ。

 

4.防水スプレーをかける

出展:楽天市場

防水スプレーを30㎝くらい離れた距離から噴霧し、よく乾かします。

乾いた後、クロスで乾拭きをしたら完了です。

防水スプレーは、乾燥後に効果を発揮しますが、シミにならないか、最初に目立たない場所でテストしましょう。

 

【財布編】オイルレザーの正しいお手入れ方法

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財布は、鞄に必ず入っているアイテムです。

手の油が丁度良く馴染んでくれる半面、汚れや傷がつきやすくなっています。

革の質と清潔さを保持するために、正しく手入れしましょう。

以下がレザーオイルの財布の手入れ手順です。

 

  1. 馬毛ブラシでブラッシングし、細かな汚れまでしっかり掃います。
  2. クロスで、財布の中(小銭入れなど)の汚れを拭き取ります。
  3. 少量のクリーナーを新しいクロスに付け、そっと塗り広げながら汚れを落とします。
  4. クロスを取り換え、余分なクリーナーを拭き取ります。
  5. 清潔なクロスに保湿剤を少量塗り、円を描くように薄く塗っていきます。
  6. クロスを取り換え、乾拭きして磨き上げます。
  7. 30㎝くらい離れた場所から、全体に防水スプレーを噴霧します。
  8. 風通しの良い日陰で乾燥させ、仕上げにブラッシングをしたら完了です。

 

財布を手入れするときは、中身を全て出してから行うことを忘れないでくださいね。

表面の汚れ以外に、小銭の汚れやレシートのインクなども、財布に移ります。

そのような汚れに関しては、定期メンテナンスまで後回しにせず、気が付いたらすぐに落としてください

 

【バッグ編】オイルレザーの正しいお手入れ方法

出展:Yahoo!JAPANショッピング

バッグは、収納できる財布と違って、雨・日光・湿度などの天候の影響を受けやすいです。

そのため、保湿と防水対策をすることがポイント。

大きい革製品の場合は、クロスよりもスポンジの方が均等に塗りやすいので、おすすめです。

  1. 鞄の中身を出し、馬毛ブラシでブラッシングします。
  2. 少量のクリーナーをクロスに付け、持ち手や鞄の底などの汚れやすい所を重点的に、優しく叩きながら汚れを落とします。
  3. 別のクロスに替えて、残ったクリーナを拭き取ります。
  4. 保湿剤を、スポンジに少量付けて、塗り広げます。
  5. 風通しの良い日陰で、30分~1時間乾燥させます。
  6. 新しいクロスで乾拭きし、余分な保湿剤を取り除きます。
  7. 30㎝くらい離れた場所から、防水スプレーを噴霧します。
  8. 十分に乾燥させ、乾拭きして馴染ませたら完了です。

 

ずっと大切にしたい!オイルレザー製品を長く使い続けるコツ

オイルレザーは長期間愛用できる革です。

しかし、正しい手入れができていないと、耐久年数が左右されます。

いつまでも素敵なレザーオイルの魅力を保ち続けるために、長く愛用するための手入れ方法のポイントをまとめました。

ポイント詳細
1.毎日ブラッシングするマメに汚れを落とすことで革へのダメージが減ります。また、傷や汚れに気が付きやすくなります。
2.保湿剤の塗り過ぎは禁物余分な栄養はカビを誘発したり、革の負担になります。
3.対処できないトラブルはプロへ落とせない汚れや破損は専門業者に依頼し、安全で確実なケアをしてもらいましょう。
4.ドライヤーは使わないぬらしてしまったら自然乾燥させてから保湿します。ドライヤーの熱風は、皮革を固くして最悪の場合使用不能になるので使わないでください。
5.消耗しやすい所を知っておく鞄なら「持ち手」、靴なら「折り曲がる場所」など、手入れ時に状態を確認します。

靴なら毎日履かずに、何足かをローテーションで使うといいでしょう。

履き続けると革の負担が増えるので、革を休ませることが大切です。

 

革靴にカビを見つけたときの対処法は、こちらの記事にまとめてあります。

 

オイルレザーを手入れするときの注意点

革製品のお手入れは長く使い続けるためにも、定期的な手入れが必要です。

しかしそんな手入れにも、注意点があります。間違った手入れを続けるのは逆効果です。

ここでは、手入れ時の注意点をご紹介します。

べたつき・オイルの塗り過ぎの対処法

出展:Amazon

手入れの注意点としては、「オイルの塗りすぎ」です。

オイルを塗ることで潤いやツヤを与えてくれますが、塗りすぎてしまうと逆に革を劣化させる原因に。

必要以上に塗りすぎないように注意しましょう。

 

「わからずオイルを塗り過ぎてしまった。」

こういった場合に対処方法は以下の2つです。

  • 汚れ落とし(クリーナー)を使ってオイルと落とす
  • サドルソープで丸洗いして落とす

※上の画像をご参照ください。

オイルを落としすぎると、また逆に必要な油分を失うことになるためこちらも注意が必要です。

サドルソープを使う場合は、自分でオイルをぬり過ぎた時や、べたつきが気になる時だけ行ってください。

 

▼サドルソープに関する記事はこちら

 

靴の手入れならインソールの掃除も必要

出展:楽天市場

本革の靴だと、インソールも革製のことが多いです。

革製は水で丸洗いできないので、正しい手入れをしないと、インソール(中敷き)の劣化や、においの原因に繋がります。

  1. 革靴に、木製のシューツリーを入れて一晩置き、蒸れを解消します。
  2. アルコールティッシュで、つま先からかかと部分まで汚れを拭き取ります。
  3. 薄く保革クリームを塗り広げたら完了です。

つま先は指で届きにくい場所なので、長い棒などを使うと簡単ですよ。

 

▼インソールの汚れの対処法に関する記事はこちら

革製品のアルコール除菌

衛生面が気になる昨今、革製品もアルコール消毒したいと考える人もいるかもしれません。

しかしこれは、色落ち・シミの原因になるのでアルコール消毒はしないでください。

一度シミになってしまうと、これをご自身で処置するのは非常に難しいからです。

代替え案として、500mlの水と台所洗剤を小さじ1杯ほど含んだ洗剤液を作って対処ができます。

この洗剤液に浸し、固く絞った布などで拭くことで消毒ができるでしょう。

 

次亜塩素酸ナトリウムを使った除菌方法

どうしても消毒がしたいという方は、以下の方法も試してみてください。

次亜塩素ナトリウムは、商品によって希釈の割合が異なります

必ず確認して正しい濃度にしてください。

※使い方を間違えると、色落ちやシミの原因になるのでご注意を!

  1. 次亜塩素酸ナトリウムと水を混ぜ、0.05%濃度に薄めます
  2. その液を清潔な布につけ、よく水気を絞ったら力を入れないよう拭きます。
  3. 水気を固く絞った布に取り換え、拭き残しがないよう優しく水拭きします。
  4. 入念に水拭きして、乾かしたら完了です。

装飾やファスナーの金属パーツについた次亜塩素ナトリウムも、きちんと拭き取りましょう。

 

防水スプレーを吸った健康被害も

出展:楽天市場

防水スプレーには、呼吸器系に影響を及ぼす成分が入っており、吸った人が健康被害を受けたケースがあります。

密閉された部屋では使わず、十分な換気ができるベランダや、庭などで手入れを行いましょう。

風下に立っていて、防水スプレーを吸ってしまったという人もいます。

例え外だとしても、周りの環境に気をつけて手入れをしてくださいね。

また、床に防水スプレーが付くと、滑りやすくなることがあります。

新聞紙をひいたり、マスキングテープで固定したりすると、後片付けがラクです。

 

正しい手入れでオイルレザーの美しさを保とう!

出展:Amazon

オイルレザーの人気も徐々に高まり、様々な商品に使われています。

オイルレザーの購入を考えている方は、財布から取り入れてみてはいかがでしょうか。

オイルレザーの特徴・メリット・デメリットを比較した上で選んでみてくださいね。

購入後は定期的な手入れをしっかり行うことで、数年後にはあなただけの味のあるオイルレザーに生まれ変わります。

革の醍醐味はこの経年劣化です。ぜひ自分だけのオイルレザーを見つけてください。