HushTug NOTE レザー スエードとヌバックは同じ?意外と知らない起毛革の違い

スエードとヌバックは同じ?意外と知らない起毛革の違い

スエードとヌバックは同じ?意外と知らない起毛革の違い

2020年06月05日

靴や鞄によく用いられていて、最近はスニーカーでよく使われている「スエード」と「ヌバック」

これらは同じ起毛素材として認識している方が多いと思いますが、実は製法が違うため別の起毛素材なのです。
今回は起毛革の違いについて書いていこうと思います。

起毛革の種類


起毛革の種類は主に5種類に分類されます。

  • スエード
  • ベロア
  • ヌバック
  • バックスキン
  • セーム革

それぞれ素材や特徴が違っているので順を追って説明していきます。

スエード(Suede)

スエードは日本でもよく聞く革だと思います。
しかし、どんなものなのか説明できる人は少ないのではないでしょうか。

ここではスエードがどんな革なのかを説明していきます。

スエードとは?

引用:dictionary.jlia.or.jp

スエードは起毛革の1種で、仔牛や豚、羊、山羊など小動物の皮を原料としています。
そして、皮革の肉面をサンドペーパーで羽毛をそろえた革のことです。

皮革の肉面とは、銀面の反対側です。
つまり革の内側で、筋肉と面しているほうになります。
起毛させるので、傷などで銀面の状態が良くない皮を使用することが多いといいます。

ベロアよりも、羽毛が繊細で短く均質です。
鞄の裏地やスニーカー、革靴などいろいろなところで使われています。

スエードの起源は、フランス語で「gants de Suède」
スウェーデンから来た女性用の手袋が、起毛素材を使った贅沢な高級品だったのです。

そこから言葉が1人歩きして起毛革=スエードになったとされています。

スエードの特徴

スエード
スエードの特徴はなんといっても、その独特の光沢とあたたかみです。
ベルベット生地(毛足が長いパイル生地)のような独特の光沢がありますよ。

また見た目以上に丈夫なのも特徴の1つで、よく靴に使用される革です。

手入れのステップが牛革などよりも少ないので、手入れが簡単というイメージを持たれています。

スエードは毛足が長く、起毛感が強い革です。
また革自体は薄めになっています。

それはスエードが削れば削るほど、キレイで安定した起毛になるためです。
そのため、大抵薄くてしなやかな革になっています。

水には弱いので注意が必要ですよ。
濡れたまま放置してしまうと、シミになってしまうので早めに対処しましょう。

スエードのお手入れ方法

スエードの手入れ

出典:http://www.columbus.co.jp/l

スエードは他の革よりも水に弱いです。

なので、使い始める前に防水スプレーをかけておくといいですよ。
特に靴の場合、水漏れの危険性もあるので防水スプレーは必須です。

防水スプレーをかけておけば、汚れてもすぐに落とすことができます。

濡れたり汚れてしまったら、放置せずにすぐに落とすようにしましょう。
そのままだとシミになってしまう原因に繋がります。

まず毛の流れに逆らってブラッシングします。
汚れが落ちたあとは、毛の流れに沿ってブラッシングしていきます。
これで、軽い汚れは落ちますよ。

これでも落ちない汚れの場合は、スエード用の消しゴムなどを使用して汚れを落としていきます。

スエードの詳しい手入れはこちらから。

ヌバック(Nubuck)

ヌバックもよく聞く起毛革の1つですね。
スエードとよく似ているので、違いを把握していきましょう。

ヌバックとは?

引用:dictionary.jlia.or.jp

ヌバックは、スエードと逆の面を起毛しているのが大きな違いです。
皮革の表面、つまり銀面をサンドペーパーでバッフィング(磨き上げ)し短く毛羽立たせて仕上げた起毛革のことをいいます。

スエードやベロア、皮革の肉面側を起毛させた革と比べると、毛羽がとても短くビロード(細かな毛が立ちツヤのある生地)のような状態です。

名前は、バックスキンが由来となっているそうです。
バックスキンはヌバックと同じ方法で起毛されたオス鹿革のことですね。
同じ製法なため、由来となったのでしょう。

ハンドバッグや靴の甲革などに使用されています。
またヨーロッパでは、高級家具にも使用されているようです。

ヌバックの特徴

ヌバック

出典:https://cojicaji.jp/

革の表面を起毛しているので、スエードよりも丈夫です。
ただ、その分高価な革となっています。

毛羽はとても短いですが、触り心地がよく手触りがいいです。
ほっこりした感じで、温かみがあるのが特徴ですね。

ツヤもあり毛並みもなめらかで、マットでさらっとして感じがあります。
しなやかさもあるので、高級品として多く使用されています。

また、ヌバックは革の銀面を起毛させているので、革の厚みが十分に残っています。
そのため革が厚くて丈夫ですよ。

高級品で使用されるほどの上品さがあるヌバックですが、丈夫さからアウトドア製品に使われることもあるほどです。
様々な用途で使用されている革といえます。

スエードとの違い

ヌバックのほうが皮革素材的に見てスエードよりも高級です。

床面をギリギリまで削って作るスエードと違って、ヌバックはあまり削らないのでスエードよりも革が厚いです。
見た目や触り心地も毛足の長さも違うので、同じ起毛皮革という位置づけですが別物という扱いになります。

ヌバックのお手入れ方法

ヌバックの手入れ

出典:http://care.happyvalue.com/

起毛革なので、革本体に汚れがつくことは少ないです。
しかし、毛なのでホコリがついたりして、汚れが目立つ革ではあります。

いい加減な手入れをすると、数年で傷んでしまうでしょう。
正しい手入れを心がけてください。

準備するもの

起毛を傷めたり寝かせることのないように、道具は起毛革専用を選びましょう。

  • ゴムブラシ:ゴム部分が汚れを吸着します
  • 防水ジェル:水や汚れから革を守ります
  • ローション:ブラシで落とせない汚れを落とします
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  • 保革スプレー:革の乾燥を防ぎます(またはワックス)
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起毛革の仕上げにもワックスは使用できます。

ですが、塗り過ぎるとワックスが起毛にまとわりついてべたっとした見た目になる可能性があるのでご注意ください。

ヌバックの手入れ方法

ヌバックも乾燥するのは、他の革製品と同じです。
汚れや乾燥を放置していると、使用できなくなってしまうこともあります。

定期的にお手入れを行うようにしましょう。

  1. ゴムブラシで四方八方にブラッシングし、起毛の間に入った汚れを落とします。
  2. 付属のスポンジにローションをつけ、落ちなかった汚れを取り除きます。
  3. 防水ジェルを手に取り、製品全体に伸ばしたらブラシですりこみます。
  4. 保革スプレーを噴霧(または少量のワックスを指で塗ってからブラシで塗り広げる)して完了です。

革が乾燥していなければ保革しなくてもいい場合があるので、革の状態に合わせて使い分けてみてくださいね。

ベロア(velours)

ベロアとは、上品な光沢のある表面に細かな起毛がある生地のことです。
高級製品やドレスなどによく使用されています。

そんなベロアについて詳しく見ていきましょう。

ベロアとは?

引用:dictionary.jlia.or.jp

ベロアには2種類あります。

銀付きベロア成牛革などの大きい革の肉面をバッフィングで毛羽立たせたソフト調の革
※肉綿なので、銀面の反対側を起毛させています。
床ベロア床革を用いて毛羽立たせた革
※床革とは、革の2層目にあたる部位のことです。

ベロアは小動物の革を起毛したスエードに比べると、やや毛羽が長いです。
また成牛革を使用しているので、繊維が粗いため起毛も粗くなっています。

滑らかさはベロアのほうが上でしょう。

実はドイツでは、ベロアはスエードの一部として品質を表す言葉として使用されています。
それほど、厳密にスエードと使い分けることは難しいのです。

イメージは、スエードよりもふさふさしているので、靴などは陰影がはっきりしますよ。
ベロアは、靴用甲革などによく使用されていますね。

語源は、ラテン語で「毛むくじゃら」という意味の言葉です。
それがフランス語の「velour」に変化しました。

ベロアの特徴

引用:shopblog.franchelippee.com

ベロアは、滑らかで艷やかな光沢を持っています。

肌触りがとてもよく、光沢があるので光の当たり具合で色が変わって見えるのが特徴です。
柔らかさやふっくらとした感じの風合いがあります。

高級感がありドレスやワンピースのようなファッションアイテムの素材としても使用されています。
また高級寝具やお出かけ用のバッグなどに用いられますよ。

ベロアはベルベットとも似た素材と言われ、混同している方も多いでしょう。
違いは、ベロアのほうがベルベットよりも厚みがあり毛足が長いです。

またベロアは編み物であり、ベルベットは織物という点が決定的に違います。

ベロアのお手入れ方法

ベロアの日常的なお手入れは難しくはありません。
ただ繊細な革なので、手荒に扱うのはやめましょう。

ブラッシングをして、専用スプレーを吹きかけるだけで十分です。

酷い汚れの場合は洗濯がおすすめです。
ベロアはものによっては洗濯できることがありますので、その場合は洗濯して汚れを落としましょう。

  1. 洗うものを裏返してネットに入れます。
    ※気になるシミや汚れがある場合は、先に部分洗いしておくといいです。
  2. 洗濯モードは、「手洗いモード」か「ドライモード」にします。
  3. 洗濯で色あせしやすいので、適切な洗剤選びを。
    ※おしゃれ着用の中性洗剤がおすすめです。
  4. 短期間で脱水してすぐに干します。
    ※長時間の脱水はシワや毛並みの乱れに繋がるので、短時間で行ないましょう。
  5. 脱水後はすぐに日陰に干し、乾いたら完了です。

洗濯機だと傷みそうで不安があるという方は、手洗いで汚れを落としましょう
次に、手洗いする方法をご説明します。

  1. 40℃くらいのぬるま湯に洗剤を入れて、洗う準備をします。
    洗剤は洗濯機同様に、おしゃれ着用の中性洗剤がおすすめです。
  2. 水を替えつつ、優しく押し洗いするのを繰り返して洗剤を落とします。
  3. 洗ったものをタオルに包んで脱水します。
  4. 脱水後はすぐに日陰に干しして、乾いたら完了です。

バックスキン(Buckskin)

引用:cartolare.eime.co.jp

バックスキンとは、このような意味があります。

本来は牡鹿(おしか)皮の銀面を除去し、その面を起毛して作った革。バック(buck)は、トナカイ、カモシカ、欧州産の鹿類、ヤギ、ウサギなどの雄を指す。魚油又はホルムアルデヒドなどで鞣した黄色の柔らかい革で、肉面を仕上げたものもある。床革ベロアやスエードなどバックスキンと表現して間違っている場合が多い。
引用:皮革用語辞典

耳で聞くと「Backskin(革の裏)」に聞こえるので、スエードと同じ起毛革という意味合いでも使われます。

日本ではバックスキンの使い方がかなり複雑で、鹿革を起毛させたもの、鹿革そのもの、スエード調のもの、と色々と混同されて呼ばれていることが多いです。

セーム革(Chamois leather)

引用:www.soundden.com

セーム革の意味はこのようなものです。

本来、アルプスカモシカ(chamois)の皮をタラ肝油で鞣して作った革。現在ではシカ、ヒツジ、ヤギなどの皮を用い、アルデヒド系鞣剤とタラ肝油を用いて鞣した革が多い。タラ肝油には酸化されやすい高度の不飽和脂肪酸グリセライドが多く、酸化化成物と皮タンパク質との化学反応を利用した油鞣し方法で製造される。作られた革は水洗いしても硬化しないことから、自動車清掃用やガラス磨きなどに広く使われていたが、現在では合成繊維にその地位を譲っている。

元は鞣したカモシカの革を起毛させた皮革素材。
今ではヒツジやヤギ、ブタを似せて加工された革もセーム革と呼ばれています。

多孔質という水をたくさん吸う性質があるので、それを利用して車を洗車した後の拭き上げなどによく使われています。
日本ではキョンという鹿の革を使ったキョンセームが高級品として出回っていますよ。

スウェードとヌバックの違いまとめ

出典:TANGOYA

最初にも書きましたが、起毛素材はスニーカーや服、鞄など身近な素材です。
普段は何気なく使っている起毛素材にも、かなりの種類がありましたね。

今回は起毛革についてフォーカスを当てて説明してきました。

ぜひ、身の回りの起毛素材を確かめてみて下さい。