トコノールの成分は一体何?床面処理剤の効果と使い方

最近は、レザークラフトを趣味で楽しむ方が多いですね。

たくさんの入門グッズもあり、気軽にできるのですが、専門的な道具が多いのも事実です。

そんなレザークラフトに必要なグッズで、「トコノール」と言うものがあるのをご存知でしょうか?

今回は、レザークラフトの必需品であるトコノールについて、成分・効果・使い方など、様々な情報をご紹介します。

 

トコノールの成分と役割

トコノールの成分は、主に3つの混合です。

  • 天然糊(のり)
  • 天然ワックス
  • 水溶性の合成樹脂

これらの成分が、革の繊維に染み込みやすいよう、適度な粘度で調合されたものがトコノールです。

トコノールの最大の特徴は、革の面(主に裏面・断面)の仕上げに使用することです。

革の「面」について、いくつか専門用語がありますので、その説明もしますね。

 

①革の表・銀面


革の表側は「銀面」と呼ばれています。また、銀面に見られる細かいシワのような模様のことを、「シボ」と言います。

動物に元からあるウロコ模様などと違い、シボは加工によって付けられます。

例えば、高級バッグの代名詞”クロコダイル(ワニ革)”のバッグには、特徴的なウロコ模様がありますね。

爬虫類(はちゅうるい)皮革を好む方は、ウロコ模様が魅力のひとつとなっているように、シボも同じことが言えます。

 

②革の裏(床面)

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皮革は動物の皮からできているため、革の裏面(トコ)や断面(コバ)は、未処理の状態では毛羽立っています。

トコノールは、その毛羽立ちを押さえるために、使われるのです。

トコノールを革に塗ると、天然の糊成分が革の繊維に浸透して、繊維を固め、ワックス成分がツヤを出す層を形成します。

これらの過程で、革の毛羽立ちを抑えることができます。

革の風合いを損なわずに毛羽立ちを押さえるので、レザークラフトの仕上げに不可欠なものとして、外国でも使われています。

また、羽毛立ちの他に、革の耐久性を上げる効果もあります。

このひと手間をやっているかどうかで、完成形に大きく差が出ると言えるでしょう。

 

③コバ

出展:楽天市場

革の切断した面のことを、コバと呼びます。

レザークラフトでは、このコバの面をきれいに磨いて、色々な作品を作ります。

この未処理のコバ面に使うことで、美しく仕上げることができます。

主に、革の床面とコバの処理に使用されます。

 

トコノールのメリット

トコノールの6つのメリットについてご紹介します。

 

1.ムラなく塗れる

とても伸びが良いので、レザ―クラフト初心者にもムラ無く塗れて、非常に使いやすいと人気があります。

2.ちょうどいい粘度で塗りやすい

液体でも固体でもない、半液状のようなとろみがあるので、塗りやすいです。

最初にお伝えした”伸びがいい”理由も、この要因が関与しています。

 

3.そのまますぐ使用できる

同じ役割をする「仕上げ材CMC」は粉末のため、お湯で溶かす・ダマになりやすいなど、手間がかかります。

その点トコノールは、そのまま蓋を開けて使用するだけと簡単です。

 

4.使用後の追加の加工が可能

成分が水溶性のため、使用後に、どんな顔料でも仕上げ材でも追加が可能です。

後から色を付けることもできるため、レザ―クラフトがより美しく仕上がります。

 

5.透明ではなく色つき

乳白色なため、どの部分を塗ったか確認しながら作業ができます

乾いてくるとだんだん透明になるので、「半乾きで接着する」というタイミングも、分かりやすいです。

 

6.長期保存できる

未開封で約3年(冷暗所保存)、開封後でも約1年間は鮮度を保てます。

適した場所・扱い方で管理しておけば、長持ちするため無駄なく使用できます

これらメリットを見れば、トコノールが人気商品であるのがうなずけますね。

 

トコノールのデメリット

仕上げ材としてのトコノールのデメリットは、特に見当たりません。

ただ、大量に使用する場合は、同じ仕上げ材のCMCなどと比較すると、値段が高くつくようです。

また、用途は限られますが、トコノールには、黒や茶色が付いたタイプもあります。

黒い革のレザークラフト・補修に便利で、丁寧に磨くことで、黒いツヤが出て、美しさが増します。

しかし、コーンスリッカーに色が移ってしまうので、無色用と使い分けましょう。

⇒「コーンスリッカー」とは?

 

トコノールとトコフィニッシュの違いは?

 出典:Amazon.ne.jp

商品名:クラフト社 革工具 トコフィニッシュ 80ml。

トコノールと一緒によく耳にするのが、「トコフィニッシュ」です。

トコフィニッシュは、トコノールを同じく、レザークラフトの仕上げに使用されます。

同じ目的で使い、効果もほぼ同じですが、違いがあるのか気になりますね。

以下は、それぞれの簡単な比較です。

トコノール トコフィニッシュ
成分 天然糊・天然ワックス・水溶性の合成樹脂 水溶液樹脂・有機アルカリ・水
値段 120g 約580円 80ml 約385円
販売元 株式会社誠和 クラフト社

他、違いについてはこちらです。

  • トコノールが「白いクリーム状」、トコフィニッシュが「透明なゼリー状」ということ。
  • トコフィニッシュの方が、浸透するまでにかかる時間&乾燥時間が、トコノールより早い。

前述したように、トコノールは塗った部分がひと目でわかり、乾いていくタイミングも分かりやすいので、そこがトコフィニッシュとの違いです。

値段は、トコフィニッシュの方が一見リーズナブルですが、容量はトコノールの方が多いため、そこまで大きな違いはないでしょう。

 

どっちを買うべき?

出展:楽天市場

そこまで効果や値段に違いがないとすると、どちらを選ぶべきなのか迷ってしまいますよね。

どちらか使ってみて、使いやすい方を選ぶのがベスト。

トコノールは、お試しサイズの20mlが販売されています。

単品で買うと送料の方が高くなってしまうため、レザークラフト専門店でまとめ買いをしてみてはいかがでしょうか。

「○○円以上で送料無料!」のところが多いので、損なく買えますよ。

出展:楽天市場

また、レザークラフトキッドの中には、小さめのトコノール(またはトコフィニッシュ)が一緒に入っていることがあるため、そこでも試せます。

使う革の色や、用途に合わせて選んでみてくださいね。

 

トコノールの使い方


コバや床面の処理に使うトコノールは、レザークラフトには欠かせないことがお分り頂けたところで、次に「使い方」をご紹介します。

床面もコバも、基本的な作業は同じです。面の大きさなどの違いにより、注意点がそれぞれあります。

では、順に確認していきましょう。

 

1.床面・コバにトコノールを薄く塗る

床面もコバにも満遍(まんべん)なく、均一に薄く塗るようにしましょう

天然糊の成分が革の繊維に浸透し、その上に天然ワックス成分が層を形成します。

これによりツヤが出て、さらに耐久性も増していきます。

 

床面へ塗る時のポイント

出展:SEIWA

トコノールを、革の床面に薄く塗り広げます。革の種類として、ヌメ革の処理に適しています。

ヌバックやスエードなどの革には、適していません。

敏感肌の方は、ビニール手袋などをした方が安心ですね。

素材やサイズ感によっては、滑ったり、道具が使いにくかったりします。

ゴム製なら手に密着して滑りにくいので、アレルギーがなければご検討ください。

塗る手段は、指が一番簡単です。綿の布を小さく畳んだものなども、利用できます。

カバン用などの大きな床面の場合は、ヘラを使うと作業が速いです。

トコノールが、革からはみ出ることを想定して、汚れてもいい紙を机に敷きましょう。

新聞紙が便利ですが、インク移りする可能性があるので、ご注意ください。

 

コバへの塗り方ポイント

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トコノールをコバに塗る際、革の銀面にはみ出さないように気をつけましょう。

シミになるのを防ぐためです。余分に塗ってしまった分は、ティッシュなどですぐに拭き取ります。

指、またはウェスなどの布を使って塗るのは、床面と同じです。

コバの隅など細かい部分は、「ヒシ目打ち」などの道具に、直接付けて塗るとやりやすいです。

⇒ヒシ目打ちとは?

コバの部分は、10~20cm程度を一度に塗るのが良いでしょう。

これ以上長いコバをいっぺんに塗ると、はみ出したりして綺麗に仕上がりません。

 

2.ガラス板・プレススリッカーなどで擦(こす)る

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乳白色のトコノールは、時間の経過とともに、次第に色が薄くなっていきます。

半乾きになったタイミングで、ガラス板(またはプレススリッカー)で擦りましょう。

タイミングがずれると、革が伸びて厚さが変わるかもしれません。

革の繊維そのものが押さえられて、艶が出てきます。帆布(はんぷ)などの布を使って磨いても、綺麗な仕上がりになりますよ。

出展:SEIWA

また、一級品と言われる「アメリカンブラックウッド」や、希少性の高い「黒檀(こくたん)」で作られた、ウッドスリッカーもあります。

どちらも、非常に硬い性質を持っており、耐久性・磨き上げの良さはトップクラスに位置付けられます。

形状にこだわった商品が多々あり、高いものだと10,000円以上する商品も。

ウッドスリッカーの安いものだと1,000円くらいで買えるので、興味のある方は、予算に応じて探してみましょう。

 

床面の擦り方ポイント

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床面を磨くときは、レザークラフト専用のガラス板を使用すると便利です。

あまり力を入れすぎないことがポイント。

革の繊維の方向に沿って磨くと、毛羽立ちも綺麗に押さえられます。

どの方向がガラス板を動かしやすいかなど、工夫してみましょう。

ガラスコップで代用も可能です。やり方は、ガラスコップの飲み口側を持ち、底部分で磨けば問題ありません。

 

コバの擦り方ポイント

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トコノールを塗って、半乾きの状態で磨くのは床面と同じです。

コバは、コーンスリッカーなどの磨き用の道具を使うと便利です。

磨いていくうちに、美しい艶がでてきますよ。

 

コバをきれいにするには水磨き

「革に水」と聞くと不安になるかもしれませんが、コバを綺麗にできる方法です。

水磨きをするのは、トコノールを塗る前になります。

  1. 毛羽立ったコバに、少量の水を付けていき、コーンスリッカーで磨く
  2. 水磨きをした後に、トコノールを塗ってコーンスリッカーで磨く。
  3. 革に付いた水が乾いたら、完了。

他の場所に水が付かないよう、気をつけましょう。

別のやり方として、紙やすりを使う方法もありますが、削るので少しサイズが小さくなる可能性があります。

コバを整えようとして、繰り返し削るのは禁物です。

 

色付きトコノールの塗り方

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さりげない色味でコバにアクセントをつけたい方や、自然な色合いに近づけたい方に向いています。

  1. はみださないようにブラシや綿棒を使って、色付きのトコノールをコバ(トコ)に塗る。
  2. 色移り予防のため、専用のコーンスリッカー(ガラス板)を用意し、磨き上げれば完了。

他の面に色移りすると見た目が悪くなってしまうので、慣れるまでは無色で練習を重ねましょう。

 

トコノールの気になる価格は?どこで買える?

出典:Amazon

商品名:SEIWA レザ―クラフト用床面・コバ仕上げ材。

レザークラフト専門店、またはAmazonなどのネットサイトが便利です。価格は120gで580円前後。

店頭で購入する場合は、一部のクラフト専門店・量販店・ホームセンターなどでも、取り扱いがあります。

前もって、在庫を確認してから行くことをおすすめします。

500gの大容量タイプもありますので、コストや使い道を考え、使いやすい方を選びましょう。

 

トコノールで、トコやコバを磨いてキレイに仕上げよう!

出展:ミニツク

今回は、レザークラフトの必需品である、トコノールの使い方をご紹介しました。

お手持ちのレザーグッズの、コバの補修にも使用できるので、まずは小さいものから購入しましょう。